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仏教美術の原点 ガンダーラ遺跡

文明の十字路（仏教美術の原点）
by Tan-No Masood
ガンダーラ美術館は今回で二度目の訪問でした。初めて訪れた時は、仏陀の首や、顔のない仏陀像に驚いたものですが、以前は見えなかったものに気づき愕然としました。弥生式土器そっくりのものと、子供の玩具に見える埴輪そっくりの土偶なのです。しかも、このデザインの発想はどこからくるのか見事な独創性を感じます。もしかして独創性どころか古代宇宙人を想像してしまうような出来栄えでした。タキシーラの美術館では中国で自慢している某遺跡の出土品にそっくりだが、遥かに巨大な土偶を見て唖然としたものです。

西アジア・中央アジアから中国どころか日本まで繋がる文明の通り道を垣間見た思いで感無量でした。
歴史を西～中央アジアを中心に見ていけば、文明も宗教も、ここから生まれ、西洋さえ辺境だったのです。仏陀の故郷も古代宝石の産地も現在の北パキスタンであり、天文学も数学も、この地域から生まれているのです。私たちは学校で西洋人が見た歴史を教えられていたのだと気がつくのに時間はかかりませんでした。皆の考えている中国文化さえ殆どがシルクロードから伝わったものの亜流であると、地球規模で歴史・文明を考え直すものが、至る所にあります。それを発見するかしないかは、見る人次第ですが。

私個人としては、ギリシャ～ローマ医学・インド医学・チベット医学（中国医学の原型）を総括したユーナニ医学（イスラム医学）が現在も伝えられ使われている地域として非常に興味のある空間です。